「土木業界に就職するなら公務員が勝ち組だ」と、公務員になることを検討していませんか?
実際、公務員は収入が安定したり、職を失うリスクがなかったりと民間にはないメリットは確かにあります。
しかし、公務員というだけで勝ち組とは限らないことも事実です。
僕には現役の土木の地方公務員として働く友人がいますが、勝ち組になるために公務員になったわけではないようです。
そこで本記事では、民間での土木歴が9年である僕の経験と現役公務員の友人の話を基に「公務員は勝ち組か?」について深掘りします。
さらに「土木の公務員になる方法」と「おすすめの民間の土木企業」も紹介しています。
「土木の公務員になるか?」それとも「民間企業に就職するか?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ちなみに土木の公務員になるなら、公務員試験に合格する必要があります。
下記の記事では公務員試験に合格するための具体的な対策を紹介しています。
実質無料で予備校に通えるイメージなので、土木の公務員を目指す方は目を通しておきましょう。
公務員が勝ち組と言われる理由4つ
土木業界に限らず、公務員が勝ち組だと言われているのは以下4つの理由があるからです。
では順番に解説します。
賞与も含めて収入が安定しているから
公務員が勝ち組と言われる1つ目の理由は、収入が安定していることです。
民間企業で働く方とは違い、公務員の給料は税金から支払われています。
そのため、毎月の月給は当然ながら賞与も安定です。
ちなみに土木の公務員として働く僕の友人は、公務員1年目でも約70万の賞与がもらえるそうです。
月給こそ会社員とそこまで変わらない20~25万ほどですが、安定して賞与がもらえるのは公務員のメリットでしょう。
つまり国民が納税をしている以上は、公務員の給料は確保されているも同然になります。
民間なら、大手企業でも賞与が安定することはありません。
そもそも賞与と言うのは、その年の業績次第で変わります。
だからこそ、業績によって賞与が多くもらえるときもあれば、まったくもらえないときもあるのです。
でも公務員は売り上げなどに左右されない職業であるため、月給と賞与を含めた収入が安定しています。
「収入を安定させる」という意味では、2020年のコロナ渦以降、民間で働く方の多くは大変なことになっているでしょう。
なぜなら、コロナ渦でダメージを受けた民間企業の従業員に以下のことが起こったからです。
- リストラ
- 給料の激減
- ボーナスのカット
民間がこれでも公務員として働く以上は、このような心配はありません。
コロナ渦で収入が激減したり、リストラされても、国民が納税する義務はなくなりませんからね。
繰り返しになりますが、国民が納税している限り公務員の給料は確保されています。
このように、世の中に振り回されることなく、収入が安定するので公務員は勝ち組と言われるのです!
確実に昇給していくから
勝ち組と言われる2つ目の理由は、確実に昇給していくからです。
公務員は年功序列で、少しずつですが毎年確実に昇給します。
要するに、長く勤めるほど勤続年数に比例して給料が右肩上がりになるということです。
今は特に、民間なら定期的な昇給はありません。
昇給するとしても、かなり重宝される資格を取得するか、よほど会社が利益を出すなどしない限りは不可能でしょう。
もし、そこまで利益が出ていないのに、従業員の給料を上げてしまえば会社は倒産します。
そして、ご存知のように現在の日本は不景気なので、定期的に昇給する民間企業も少なくなっています。
そもそも、この30年で会社員の平均年収は下がってきているため、昇給は期待できないと思います。
こんな状態なので、民間企業で昇給したとしても雀の涙ほどなものです。
ちなみに僕が新卒で働いていたブラック企業では、10年働いていても1円も昇給してない方がいました。
でも、公務員は先述したように世の中の不景気は関係ないため、安定して昇給もします。
つまり、民間勤めの方が必死に働いてもほぼ昇給しない中、公務員は長く働いてさえいれば定期的に昇給していくということです。
この「確実な昇給」も昔から公務員が勝ち組と言われてきた理由です!
定年まで職を失うリスクがないから
勝ち組と言われる3つ目の理由は、定年まで職を失うリスクがないからです。
つまり公務員は「定年まで失業する心配なしで働ける職業」と言えます。
犯罪などを犯して懲戒解雇などにならない限り、確実に定年までは働けるでしょう。
さらに、年齢を重ねるたびに役職も付いていき順調に出世もできます。
もちろん民間なら、いつ職を失うか分かりません。
いまは大手企業でも当たり前に倒産する時代なので、中小企業なら明日にでも失業するかもしれません。
もし長年働いた会社が倒産してしまうと、そこでの役職なども水の泡になってしまいます。
確かに経験が無駄になることはないでしょう。
しかし、別の企業ではまた新入社員としてのスタートになり、年下が上司になることも十分考えられますね。
「いつ職を失うか分からない」民間と比べて公務員は、とりあえず定年までは長く安定的に働けることは確実です。
世の中には「安定した職業に就くのが賢い」という風潮があるからこそ、公務員が勝ち組と言われてきたのです!
休日数が多いから
勝ち組と言われる4つ目の理由は、休日数が多いからです。
部署によっては休日出勤はありますが、公務員は基本的に「土日祝」と休日はカレンダー通りです。
特に土木は、
- 公務員として働くか?
- 民間で働くか?
どちらを選択するかによって、休日数に大きな差が出ます。
なぜなら、カレンダー通りに休める公務員に対し、民間の土木業界はほとんど週休1日だからです。
要するに、休日は日曜日しかありません。
単純に計算すると、土木の公務員と民間の土木企業では、年間休日数に倍以上の差があるということです。
では、ここまで解説してきた公務員が勝ち組と言われる理由をまとめます。
これらのバツグンな安定性に加えて、学生のようなカレンダー通りの休日数があるわけです。
確かに公務員には、全国のブラック企業で消耗している方からすれば羨ましいと思える待遇はあるでしょう。
以上が、公務員が勝ち組とされる理由4つでした!
なお土木公務員になる方法は、下記の記事で具体的に解説しているので興味があればどうぞ。
土木の公務員になった本人は勝ち組だと思っているのか?
冒頭でもお話しましたが、僕の友人は2022年4月から土木の地方公務員へ転職をしました。
土木ブログを書く僕としては、友人に聞きたいことがたくさんあったので、先日インタビューしてきました。
そして、ストレートに「公務員になって勝ち組の気分かい?」と質問してみたのです。
気になる友人の回答ですが、「別に勝ち組とは思っていない」とのことでした!
実際、友人は勝ち組になるために公務員になったわけではありません。
民間で培った土木経験や技術を活かしたいと思い、キャリアアップできる道を模索していたようです。
その結果、「たまたま土木の公務員という職業にたどり着いた」というだけの話です。
もちろん公務員になって賞与もいただいていますし、民間で働いていたときより休日数も増えました。
でも、それだけで自分が勝ち組だという認識はないようですね。
【結論】公務員=勝ち組ではない
前項を読んでいただくと分かるように、公務員=勝ち組ではありません。
つまり、公務員でも民間勤めでも「勝ち組か?」は、まったく別の話なのです。
- 自分が勝ち組と思えれば勝ち組
- 負け組と思ってしまえば負け組
極論かもしれませんが、上記の通りだと思います。
たとえフリーターでも、低収入でも「あなたがどう思うか?」の問題です。
実際、公務員よりも民間で働く方のほうが多いですが、みんな負け組に見えるでしょうか?
結婚して幸せに暮らしている方もいますし、人生を楽しんでいる方もいて、みんなが負け組には見えないと思います。
だからこそ、公務員=勝ち組は間違いです!
土木の公務員として就職するには?
公務員が必ずしも勝ち組ではありませんが、「収入の安定」や「休日が多いこと」は人生を楽しむ上では重要です。
だからこそ「安定を求めて公務員の土木職を目指したい」と思うのは、素晴らしいと思います。
そこで公務員になりたい方のために、ここからは土木の公務員として就職する方法をお伝えします。
公務員になるには、シンプルに公務員試験を受ければOKです。
ただ公務員試験に合格するには、もちろん勉強が必要になります。
勉強を効率良く行い、確実に公務員試験に合格する方法は下記の記事を参考にしてください。
晴れて公務員試験に合格すると授業料が実質タダになる特典があります!
また公務員試験は「新卒で就職する場合」と「民間から転職する場合」で、受ける試験が変わります。
それぞれの試験は、以下に記載の通りです。
では1つずつ詳しく解説します。
大卒程度一般枠
大卒程度一般枠は、主に大学生や高校生などの新卒を対象とした公務員試験です。
ですが、新卒以外にも20代なら社会人の方も受験が可能になります。
年齢上限は自治体によって違うものの、大卒程度一般枠は30才まで受けられる地域が大半です。
あくまで新卒などの若い方を対象とした公務員試験なので、年齢の他に受験条件はありません!
つまり職歴が関係ない上に、採用人数も多いため20代なら大卒程度一般枠で受験するのがおすすめです。
経験者採用枠
経験者採用枠は、名前の通り民間企業で土木の経験がある方を採用するための公務員試験です。
なので、民間企業で5年以上働いた経験がある方じゃないと受験できません。
その代わり年齢の上限は緩く、多くの自治体では59才までなら受験OKとしています。
要するに、経験者採用枠は定年ギリギリまで受験資格があります。
土木業界は民間だけでなく、公務員も人手不足な状態です。
そのため今後は、さらに年齢上限が緩和されることも予測できるでしょう。
ただ、今の時点でも経験さえあれば、50代からでも公務員は目指せます。
そんな感じで、公務員として就職するにはシンプルに公務員試験を受けるだけです!
まとめると公務員試験には、2つの受験方法があるということでした。
あなたの年齢や経験などから、受験条件が合うほうを判断して受験しましょう。
しかし繰り返しますが、受験資格や条件は、各自治体で違います。
さらに地方公務員や国家公務員でも違いがあるため、自治体のHPなどで必ず事前に確認することを推奨します。
民間の土木企業に就職する方法
一方で、「やっぱり民間の土木企業で働きたい」と思った方もいるでしょう。
そこで、ここからは民間の土木企業に就職する方法も解説します。
でも、民間で土木をやる方法も超シンプルです。
「未経験OK」や「新卒歓迎」などと記載された求人に応募するだけです。
民間の土木業界では、学歴や経験などは全然見られないため、公務員よりも簡単に就職できます。
実際に中卒の方も、バリバリ土木業界で活躍していますからね!
そんな業界なので、あなたが大学生で就職活動をしている方なら大手企業の内定も狙えるでしょう。
さらに、大卒であれば基本的には施工管理の見習いとして就職できるケースも多いです。
つまり土木作業員ではなく、最初から現場監督としてスタートできるので、肉体労働をする必要がありません。
正直、施工管理の見習いでスタートできるのは、大卒を含めた新卒だけに与えられた特権です。
もちろん中途採用の場合でも、将来的には現場監督も目指せますが、ほとんどは作業員からスタートしますからね。
いずれにしても、民間の土木企業に就職するのは公務員になるよりも明らかに簡単です。
ちなみに下記の記事で超簡単な土木への転職方法を紹介しているので、興味があれば覗いてみてください。
上記の記事で紹介している転職サービスには、ハローワークや大学には来ないような優良求人も多く掲載されています。
完全無料なので、将来のために登録だけでもしておきましょう。
登録方法も、上記の記事で紹介しているので安心してください!
土木の就職先一覧
実際、土木の中でも多くの職種があるので、就職先に迷ってしまう方も多いと思います。
そこで、dodaキャンパスを参考に土木の人気の就職先を一覧で紹介しましょう。
人気がある土木の就職先は、以下に記載します。
- ゼネコン
- ハウスメーカー・工務店
- 建設コンサルタント
- デベロッパー
では簡単にですが、仕事内容を見ていきましょう。
ゼネコン
ゼネコンとは総合建設業のことです。
土木も含め、建設工事の設計から施工、さらには研究までを総合的に行います。
一般的には大規模な工事を請け負うため、設計のみや施工のみを専門としたサブコンを下請け業者として使います。
ちなみにサブコンとは、ゼネコンの配下として「電気工事」や「設備工事」などの専門業種を行う企業のことです。
実際、ゼネコンに就職すれば現場で作業することはなく、主に監督業務を専門的に行います。
なぜなら、現場での作業はサブコン業者に任せるからです。
そして大卒ならスーパーゼネコンや準大手ゼネコンの就職も夢じゃないでしょう。
とにかくゼネコンは、土木を学んだ学生の就職先として人気があります!
ハウスメーカー・工務店
ハウスメーカーは、主に住宅の設計や施工を行う仕事です。
住宅は建築系なので、土木とは少し違う職種な気もしますよね。
でも、土木と建築は親戚みたいな関係の職種ということで、土木系の学生でハウスメーカーに就職する方は多くいるのです。
ちなみに、ハウスメーカーとして有名な大手といえば以下の企業ですね。
- 積水ハウス
- 大和ハウス
- ミサワホーム
実際、あなたも聞いたことがある企業だと思います。
そのように、ハウスメーカーも土木の就職先としては人気があります!
ちなみに工務店に就職した場合も、基本的にはハウスメーカーと同じ業務です。
でも工務店は、ハウスメーカーよりも小規模な工事が多くなるため、地域密着型で仕事をする企業が大半になります。
建設コンサルタント
建設コンサルタントは、設計と営業で業種が分かれます。
ただ、建設コンサルタントの求人は設計で募集されていることが多いです。
仕事内容は道路やダム、河川などを新設する、もしくは整備することになった場合の調査・計画のコンサルティングを行います。
ちなみに仕事の相手は、国土交通省などの行政機関です。
そもそも行政機関が建設工事などを検討している場合、まずは建設コンサルタントに相談をします。
そこで受けた相談に対して、工事の計画や調査、施工方法を提案するのが建設コンサルタントの仕事です。
さらに実際に工事が始まってからも、計画通りに進んでいるか管理する責任もあります。
この建設コンサルタントに就職する土木学生も多いようです!
デベロッパー
デベロッパーは、土地や街の開発を行う仕事です。
こちらも建築系に見えますが、デベロッパーも土木学生には人気があります。
商業施設や大型マンション、リゾート開発に携わる仕事になります。
たとえば、「六本木ヒルズ」や「アクアシティお台場」を開発したのはデベロッパーの仕事をする方たちです。
ちなみに、デベロッパーは総合建設業であるゼネコンとは協力し合う関係となっています。
つまりデベロッパーとして就職したら、ゼネコンの方と力を合わせて土地や街の開発を行っていくことになるでしょう。
土木学科の就職先の平均年収
次に気になるのは、就職先の年収だと思います。
しかし、年収については地域などによって異なることは覚えておきましょう。
そのため、あくまで目安程度ですが先ほど紹介した土木に人気の就職先の平均年収を紹介していきます。
特に、土木学科の学生の方は参考にしてください!
ゼネコンの平均年収
スーパーゼネコン5社の平均年収は、1,062.2万円です。
企業名 | 平均年収(万円) |
鹿島建設 | 1,135.2 |
大林組 | 1,032.1 |
竹中工務店 | 1,007.3 |
大成建設 | 985.1 |
清水建設 | 971.2 |
1,062.2 |
やはりスーパーゼネコンの最大の魅力は、年収の高さでしょう。
なお下記の記事では全国のゼネコンをホワイトランキングでまとめたので、興味があれば参考にしてください。
施工管理のホワイト企業ランキング【94社中の第1位は〇〇組】
ハウスメーカー・工務店の平均年収
こちらはマイナビ転職AGENTによる情報を参考にしてお伝えします。
ハウスメーカーの平均年収は850万円を超えている企業も多いです。
さらに役職が付いたり、資格の取得などで年収1,000万超えも目指せる業界です。
ただし、ハウスメーカーは大手と中小企業で年収は大きく異なります。
ちなみに中小企業の平均年収は約450万となっていることから、大手企業ほど年収が高くなりそうです。
なので、ハウスメーカーで平均年収を上げるには、大手企業への就職を目指しましょう。
そこから積極的に資格の取得などにチャレンジすれば、年収1,000万も見えてくるはずですよ!
ちなみにハウスメーカーの求人は、マイナビ転職AGENTで探してみましょう。
高待遇or高年収のハウスメーカー求人があるはずです。
建設コンサルタントの平均年収
建設コンサルタントの平均年収は498万円ほどです。
建設コンサルタントの場合の初任給は月給21万円が相場となっています。
あくまでも平均なので、学歴や経験によって、もっと高くすることは可能でしょう。
なお建設コンサルタントへの就職は、リクルートエージェントに相談するのがおすすめです。
リクルートエージェントには、約20万件の非公開求人があります。
つまりハローワークやネットでは公開されていない求人ということです。
転職サービスのみが扱っている求人も多数あるので、就職先の幅を広げるためにも、登録しておきましょう。
登録も利用も完全無料です!
デベロッパーの平均年収
デベロッパーの平均年収は以下に記載した通りです。
- 20代で266万円~383万円
- 30代で388万円~449万円
参考元:宅建Jobマガジン様
ただし、デベロッパーの年収もピンからキリで、大手企業ほど高くなるようです。
そのため大手なら年収1,000万円を目指せる企業もあります。
ぜひ、dodaで大手求人を紹介してもらいましょう。
実際、どの職種でも年収というのは中小企業と大手企業では差があるということですね。
そして、多少は努力次第で年収は上げられることを覚えておいてください!
まとめ:公務員というだけで勝ち組にはならない
確かに世の中では、「公務員は勝ち組だ」と言われています。
その理由は、以下の4つでした。
正直、民間の土木にはない安定性や休日の多さがあるため、魅力的なのは事実です。
しかし、公務員になっただけで勝ち組というわけではありません。
土木の公務員になった僕の友人も「別に勝ち組とは思ってない」と言ってましたからね。
現役の土木の公務員が言うので、多少は説得力があると思います!
そこから分かるのは「公務員=勝ち組」は、ただの偏見に過ぎないということではないでしょうか?
つまり世間の常識で考えれば勝ち組でも、あなた自身が勝ち組と思わなければ意味がないのです。
ですので、公務員だろうが民間で働こうが、もしくはフリーターだとしても、
- あなたが勝ち組と思えば勝ち組になれる
- 負け組と思ってしまえば負け組になってしまう
本当にそれだけのことです。
だからこそ、あなたが本当に勝ち組と思える道に進みましょう。
もし、公務員を目指すならシンプルに公務員試験に合格するだけです。
- 大卒程度一般枠
- 経験者採用枠
上記のどちらかの公務員試験を受けましょう。
公務員試験に合格するには勉強が必要ですが、下記の記事で紹介している勉強方法なら公務員試験の合格にグッと近づきますよ。