本記事は、これから土木作業員にチャレンジしようと思っている方に向けて書いています。
その方たちの中で「土木作業員に資格は必要なのか?」と、気になる方は多いのではないでしょうか?
正直いまの土木や建築業界は、資格がないと現場では何もできない時代です。
実際、僕も2級土木施工管理技士と、その他10個以上の資格や免許を取得しています。
そこで本記事では、土木歴9年の僕が土木作業員に役立つ資格について徹底的に解説していきます。
- 最低限もっておきたい現場で役立つ資格
- 資格を取得すべきタイミング
- どこで資格の取得ができるのか?
- 資格の取得にかかる費用&期間
さらに、「資格を取得するメリット」や「その他におすすめの資格や免許」も併せて紹介します。
僕も資格を取得したからこそ、できることも増えて年収も100万以上アップしました。
土木のプロである僕の実体験に基づいた解説なので、必ず参考になると思います!
土木作業員に資格は必要?
結論ですが、土木作業員に資格は必要です。
その理由は冒頭でもお話したように、資格がないと現場では何もできない時代だからです。
たとえばホームセンターで買える電動工具でも、工事現場では資格を持った方じゃないと使用できません。
それほど、今は何を使うにも資格が必要な時代になりました。
ただ正直、無資格の方にでも使用させている企業は多いでしょう。
確かに、事故を起こされたりケガをされなければ問題はないかもしれません。
でも仮に事故が起きて、調査が入ったとき「無資格の方が使用してた」とバレたら大変なことになります。
ですので、これから土木作業員を続けていくなら資格は必ず取得しておきましょう!
そこで次項では土木作業員が最低限、取得しておきたい資格を紹介します。
土木作業員が取得すべき現場で役立つ資格一覧
土木関連の資格には、非常に多くの種類があります。
ですが今から紹介する資格を持っていれば、工事現場で最低限の業務はできるでしょう。
その現場で役立つ資格は以下の4つです。
- 車両系建設機械
- 小型移動式クレーン
- 玉掛け
- 振動工具取扱作業者
最低限これだけあれば、土木作業員としては働けるはずです。
試験こそありますが、誰でも合格できるくらい簡単なので安心してください!
では1つずつ解説します。
車両系建設機械
土木作業員が最低限もっておきたい資格の1つ目は、車両系建設機械です。
これは、建設現場で大活躍の建設機械を操作するための資格です。
3トン以上の建設機械を操作するには、この車両系建設機械が必要になります。
たとえば、バックホウやタイヤショベルが建設機械の代表格と言えますね。
あなたも、下記のような重機を見たことがあると思います。
これが土木工事では、最も乗る機会が多いバックホウです。
あとは現場によって、ブルドーザーなどにも乗る機会があるでしょう。
つまり車両系建設機械は、重機オペレーターになるために必須な資格です。
こちらは、土木作業員にとって定番の資格になります!
ちなみに、各資格の費用や受験資格については後述するので安心してください。
小型移動式クレーン
最低限もっておきたい2つ目の資格は、小型移動式クレーンです。
これは、吊り上げられる荷物の重さが5トン未満のクレーンを操作するための資格です。
先述した建設機械のバックホウには多くの場合、フックが付いています。
つまり、そのフックで荷物を吊り上げて移動させる際に必要な資格になります。
バックホウを操作するのは、あくまで車両系建設機械だけで十分です。
しかしフックに荷物をかけて運ぶなら、併せて小型移動式クレーンが必要ということです。
そして土木作業員が小型移動式クレーンを活かすのは、ほとんどはバックホウに乗っているときでしょう。
でも小型移動式クレーンがあれば、下記のような天井クレーンも操作できます。
要するにバックホウは工事現場で、主に以下の作業をします。
- 掘削(穴を掘る)
- ダンプに土砂を積み込む
- 荷物を運搬
これらを行うには、車両系建設機械と小型移動式クレーンがセットで必要ということです!
玉掛け
最低限もっておきたい3つ目の資格は、玉掛けです。
玉掛けとは、先ほど紹介したクレーンに荷物を引っ掛ける作業のことです。
つまり、建設機械やクレーンを操作する方の補助のような業務になります。
その荷物を引っ掛けるだけでも、資格が必要なのですね。
でも玉掛けにも、ロープやワイヤーを掛ける角度などに決まりがあります。
そのような専門知識がないと、運んでいる途中で荷物が落ちたりと大事故が起きる危険性もあるでしょう。
「フックに荷物を掛けるだけ」と軽く考えがちですが、無資格の方が玉掛けをして事故が起きたらアウトです。
なので玉掛けにも安全が求められ、土木作業員には定番であり重要な資格になります!
振動工具取扱作業者
最低限もっておきたい4つ目の資格は、振動工具取扱作業者です。
これは工事現場に必須の振動工具であるランマーや電気ピックを使用するときに必要な資格です。
ちなみに、下記がランマーという締め固めをする振動工具になります。
他にもインパクトドライバーやドリルなど、振動を与える工具が該当します。
そんな日曜大工で使うような工具でも、工事現場で使用するなら資格が必要です。
以上が土木作業員をやる上で、定番の資格4つになります。
まだまだ多くの種類はありますが、最低限これらの資格を取得しておけば現場で戦力になれますよ!
資格を取得すべきタイミングは?
基本的に、資格は内定が決まって働きながら取ればOKです。
そもそも土木作業員の求人は、学歴はもちろん資格の有無に関係なく応募できます。
つまり今の時点で資格がなくても問題ないので、焦って取得する必要はありません。
運が良ければ、資格取得の費用を会社が負担してくれるかもしれませんよ。
なので特に20~30代の若手の方は資格の取得より、まずは内定をいただくことに専念しましょう。
そして未経験から土木業界へのチャレンジは、転職サービスの利用がおすすめです。
相談するだけで業界を熟知したキャリアアドバイザーが、あなたに合った求人を厳選してくれます。
土木への転職に強いおすすめの転職サービスは、以下の記事を参考にしてください。
完全無料で相談も利用もできることに加えて、さまざまな転職サポート付きです。
間違いなくハローワークより頼りになるので、ぜひご利用ください。
一方で転職が厳しくなってくる40代以上の方は、最低限の資格を取得してから求人に応募するのもありだと思います。
自腹で資格を取得したことで、やる気が伝わり、40代未経験でも採用される確率が上がるでしょう。
でも繰り返しになりますが、基本的に土木作業員に必要な資格は働きながら取得できるものばかりです。
なので焦らず、まずは土木作業員として働くための転職活動に力を入れましょう!
資格はどこで取得できる?
ここまで紹介してきた資格は、労働局長登録教習機関で取得できます。
なので、あなたが住んでいる地域の労働局長登録教習機関を指定して検索をかけてみましょう。
基本的に労働局長登録教習機関は、全国にあるはずです!
ただし機関によって教習を行っていない資格もあるので、そこは注意してください。
あなたが「取得したい資格の教習をしているか?」も含めて、事前に確認することをおすすめします。
資格の取得にかかる費用&期間は?
ここからは、各資格の取得にかかる費用や期間を解説します。
前提として資格取得の費用や期間は、今のあなたが持っている資格・免許や経験で変わります。
なので、あくまでも目安として参考になれば幸いです。
では費用や期間について、1つずつ解説していきます。
車両系建設機械の費用&期間
車両系建設機械は、取得の費用や期間に最もバラつきがあります。
なぜなら現時点で所持する資格や免許で、まったく違うからです。
なので車両系建設機械の費用や期間は、下記の表を参考にしてください。
受講区分 | 時間 | 日数 | 受講料 | テキスト代 | 合計費用 |
下記の免許や資格をお持ちでない方 | 38H | 5日間 | 89,045円 | 1,760円 | 90,805円 |
建設機械施工技術検定合格者 | 10H | 2日間 | 39,600円 | 1,760円 | 41,360円 |
大型特殊自動車免許所持者 | 14H | 2日間 | 39,600円 | 1,760円 | 41,360円 |
大型・中型・準中型・普通自動車免許のいずれか所持して3トン未満の特別教育修了後3ヶ月以上の運転経験者 | 14H | 2日間 | 39,600円 | 1,760円 | 41,360円 |
不整地運搬技能講習修了者 | 14H | 2日間 | 39,600円 | 1,760円 | 41,360円 |
3トン未満の特別教育修了後6ヶ月以上の運転経験者 | 18H | 3日間 | 39,600円 | 1,760円 | 41,360円 |
車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習修了者 | 3H | 5日間 | 82,753円 | 1,760円 | 84,513円 |
あなたが大型特殊自動車免許を持っていれば、費用は約4万円の2日間で取得できます。
でも、あなたが大型特殊自動車免許やその他に該当する資格を持っていない場合の費用や期間は以下になります。
- 費用は約9万円
- 期間は5日間
車両系建設機械が最も取得の費用が高く、期間も長くなっています!
小型移動式クレーンの費用&期間
小型移動式クレーンは玉掛けの資格があると、少しだけ費用が安くなり、講習時間も短くなります。
しかし、資格なしの場合と大きな差はありません。
小型移動式クレーンの費用と期間は、下記の表をご覧ください。
所有資格 | 期間 | 受講料 | テキスト代 |
なし | 3日間(20時間) | 42,800円 | 1,800円 |
玉掛け技能講習修了者 | 3日間(16時間) | 40,800円 | 1,800円 |
小型移動式クレーンは、費用が約45,000円の3日間で取得できますね!
玉掛けの費用&期間
玉掛けも、所持する資格によって免除される科目はあります。
しかし、玉掛けも無資格の方が講習を受ける場合でも、費用と期間に大きな差はありません。
玉掛けの取得にかかる費用や期間は、下記の表を参考にしてください。
期間 | 費用 |
3日間(15~19時間) | 2~4万円 |
玉掛けにかかる費用は高くても4万円で、3日間で取得できます!
振動工具取扱作業者の費用&期間
振動工具取扱作業者は費用が1万円ほどで、約5時間の講習を受けるだけなので1日で取得できます。
こちらは、SAT現場・技術系資格専門様を参考にさせていただきました!
つまり振動工具取扱作業者は、最も費用が安く、短い期間で取得できる資格です。
ここまで紹介してきた資格をすべて取得するとしても20~30万円の費用で、2~3週間あればOKでしょう。
数ヶ月しっかり土木作業員として働けば、十分元が取れると思います。
土木作業員が資格を取得するメリット2つ
もし自腹で取得するとしても、土木作業員が資格を取るのはメリットしかありません。
主なメリットは以下の2つです。
- スキルアップができる
- 年収が上がる
では順番に解説します。
スキルアップができる
土木作業員が資格を取得する1つ目のメリットは、スキルアップができることです。
ここまで解説してきたように、今は資格がないと現場では何もできない時代なのです。
資格を取得しないと、重機にも乗れないですし、工事現場では定番の振動工具も使えません。
たとえば、車だって免許がないと練習もできないですよね。
つまり車の免許と同じで、無資格ではチャレンジするための土俵にも立てないことになります。
でも資格さえ取得すれば、できる仕事内容が増える上に重機の練習もできます。
重機やクレーンや振動工具などに慣れていくことが、少しずつスキルアップになるのです!
なので少しお金を投資してでも、資格を取る価値は十分あると思います。
年収が上がる
資格を取得する2つ目のメリットは、年収が上がることです。
前項でもお伝えしましたが、資格を取得するとスキルアップの準備が整います。
あとは重機に乗ったり作業に慣れていけば、どんどんスキルは磨かれていくでしょう。
その結果として、年収が上がるということです!
正直、土木作業員が年収を上げるためには、資格を取ってスキルを磨くしかありません。
だからこそ資格の取得に投資したお金は、すぐに元が取れます。
ちなみに土木作業員の年収については、下記の記事で解説しているので併せてご覧ください。
その他に土木に役立つおすすめの資格&免許
ここまで紹介してきた資格は、あくまでも最低限です。
- 車両系建設機械
- 小型移動式クレーン
- 玉掛け
- 振動工具取扱作業者
とりあえず上記の資格があれば、土木作業員としての基礎は十分できます。
しかし、その他にも役立つおすすめの資格&免許もあるので、参考までに紹介しておきます。
お金に余裕があるときで大丈夫なので、以下の資格&免許の取得も検討しましょう。
- 土木施工管理技士
- 中型自動車免許
- 大型特殊自動車免許
こちらの資格や免許も今すぐ取得する必要はないですが、持っておくと将来は必ず役に立つはずです。
実際、僕もこれらをすべて取得していますが仕事の幅も広がりました!
では1つずつ解説します。
土木施工管理技士
1級または2級「土木施工管理技士」は、土木業界では最も重宝される国家資格です。
つまり土木作業員ではなく、現場監督をやるための資格になります。
現場監督は作業員の安全を管理したり、構造物の設計などを行います。
正直、作業員のままでは体力的にもきつくなってきますし、社会的な出世は見込めません。
しかも全体的に見て、土木作業員にはボーナスを支給しない企業も多いです。
しかし現場監督になれば、給料形態も日給制から月給制になることに加えて、ボーナスもガッツリもらえる可能性が高くなります。
もちろん責任は重くなりますが、その分だけ収入は上がるでしょう!
実際「土木施工管理技士」の取得は、未経験から始める方にとってはゴールと言えるかもしれません。
なので土木作業員としてある程度の実務経験を積んだら、いずれは「土木施工管理技士」を目指すことを推奨します。
試験には「学科」と「実地」があり、この両方に合格すると「土木施工管理技士」になれます。
中型自動車免許
中型自動車免許は、4トンダンプに乗るときに活躍する免許です。
土木業界では4トンダンプに乗れるようになると、間違いなく仕事の幅は広がります。
もしもダンプに乗れなければ、朝から夕方まで、ずっと現場で肉体労働を続けることになるでしょう。
実際、僕も中型自動車免許を持ってなかった頃は、現場にいるしかありませんでした。
現場に1日中いると、1日が非常に長く感じてしまいます!
でもダンプに乗れることで以下のような作業を任せてもらえるので、気持ち的にかなり違います。
- 土砂の運搬
- コンクリートのがれきの運搬
- 雪の運搬
要するに、1日中ダンプに乗っているだけの日もあります。
正直、運転だけの日がたまにあると、めちゃくちゃ仕事が楽です。
なので土木作業員をやるなら、中型以上の自動車免許は持っておいたほうがいいと思います。
15万円くらいで中型自動車免許を取得できるので、コツコツお金を貯めておきましょう。
免許は土木以外でも活かせる業界があるため、取得して損はしないはずです。
大型特殊自動車免許
大型特殊自動車免許は、特に雪国では大活躍します。
こちらは、タイヤショベルを道路で走行する際に必要な免許です。
あくまで現場で作業するのは車両系建設機械だけで十分ですが、道路を走るには大型特殊自動車免許が必要になります。
そして雪国の土木作業員には、冬には除雪作業があり稼ぎ時です。
だからこそ雪国で土木をやる方は、大型特殊自動車免許は必須と言っても過言ではないでしょう。
正直、除雪でタイヤショベルに乗るようになると、かなり稼げます!
費用は10万円未満で、2週間くらいで取得できるので、こちらも併せて持っておくと非常に便利でしょう。
以上が、おすすめの土木に役立つ資格&免許でした。
これらを取得しておくと、いずれあなたの人生のプラスになることは間違いありません。
土木作業員はクズが多い職業?
結論ですが、土木作業員はクズじゃありません。
確かに口が悪い方やクセが強い方はいますが、それはほんの一部です。
そもそも、クズかどうかは職業で決まるものではないと思います。
つまり土木作業員だからといって、クズにはならないので安心して働いてみましょう!
土木作業員がクズじゃない理由は、下記の記事でたっぷり解説しているので参考にしてください。
まとめ
今は資格にうるさい時代なので、資格がないと現場では何もできません。
ですので、あなたがこれから土木作業員として働くつもりなら、資格は取得したほうがいいと思います。
でも焦る必要はなく、働きながら少しずつ取得しておけばOKです。
「未経験OK」と記載されていれば、土木作業員の求人は無資格でも応募できるはずですから。
なのでまずは採用されるため、資格の取得より転職活動にエネルギーを使っていきましょう。
転職サービスに相談すれば、完全無料で担当者がサポートしてくれます。
さらにサポートだけでなく、スケジュール管理や年収の交渉など、代行してくれることも多いです。
つまり転職サービスは、あなたが転職活動に使うべきエネルギーを大幅に軽減してくれるでしょう。
言ってしまえば、面接だけ気合いを入れればOKだと言えます。
ですので、ぜひ転職サービスの利用をおすすめします。
土木に強い転職サービスは、下記の記事にまとめているので参考にしてください。
そして採用が決まったら、最低でも以下の資格は取得しましょう。
- 車両系建設機械
- 小型移動式クレーン
- 玉掛け
- 振動工具取扱作業者
これらがあれば、土木作業員として最低限の仕事はできます。
費用は高くても10万円ですし、期間は長くても数日ほどで取得できる資格ばかりです。
ここは今のあなたが持っている資格や免許で変わってくるので、事前の確認を忘れないでくださいね。
ぜひ、あなたが住んでいる労働局長登録教習機関に問い合わせてみましょう。
資格の取得は、土木作業員としてスキルアップするための第1歩です。
講習を受けるだけなので、未来への投資と思って積極的に取得してもいいでしょう。
そして、いずれ「土木施工管理技士」も取ることがゴールでしたね!
ちなみに当ブログを運営している僕は土木歴9年のプロです。
プロの僕が未経験の方も、安心して土木業界へ転職できるための情報やキャリアアップの方法について解説しています。
併せて業界のウラ側もお伝えしているので、あなたも土木業界の方になるなら、今後も読みに来てください。
ぜひ、いっしょに成長していければ幸いです。