「土木施工管理技士は取り消しになることがあるの?」と心配していませんか?
結論から言うと、土木施工管理技士は不正が発覚すると合格後でも取り消しになることがあります。
その不正の多くは、実務経験のごまかしです。
そこで本記事では、土木施工管理技士が実際に取り消しになった事例も交えて、必要な実務経験について解説します。
実務経験は、必要な日数や実務として認められる仕事を経験することで受験が認められます。
その日数の数え方や認められる仕事についても紹介するので、安心してください。
本記事を読むことで、あなたは土木施工管理技士の取り消しを受ける心配はなくなります。
嘘を付くことにメリットはないため、しっかり受験資格を満たしてから土木施工管理技士の試験を受けましょう。
もし実務経験が足りなかった場合でも、「今できること」をお伝えしているので、最後まで読んでいただければ幸いです。
土木歴9年で、2級土木施工管理技士を持つ僕が解説するので、ぜひ参考にしてください!
ちなみに土木施工管理技士のおすすめの取り方を下記の記事で紹介しているので、こちらも参考になれば幸いです。
土木施工管理技士が取り消しになるパターン
冒頭でお伝えしたように、土木施工管理技士が取り消しになるパターンの大半は、実務経験のごまかしです。
土木施工管理技士は、学科と実地試験の両方に合格して資格の交付がされます。
学科は誰でも受けられますが、実地試験を受験する際には実務経験が必要です。
つまり決められた日数と仕事内容を経験することが、実務経験として認められるのです。
ちなみに実務経験は、まず会社に自己申告し、勤務先がそれを証明した「実務経験証明書」を提出します。
この実務経験のごまかしが発覚した場合、取り消しになるということです。
なお、実務経験のごまかしのリスクは下記の記事を参考にしてください。
ごまかすとは、例えば本当は半年しか働いていないのに経験年数3年と申告するなどですね。
なお、実務経験に必要な日数は学歴によって異なるので確認しておきましょう。
2級土木施工管理技士の場合、土木系の学校を卒業していれば基本的には下記のイメージです。
- 大学卒で卒業後1年以上
- 短期大学卒で卒業後2年以上
- 高校卒で卒業後3年以上
- 中学校卒で卒業後8年以上
もし土木とは関係のない学科を卒業している方なら、上記の年数より少し長くなります。
その際の必要な日数も下記の記事で解説しているので、併せてご覧ください。
このように土木施工管理技士が取り消しになるのは、実務経験のごまかしが大半です!
経歴詐称で土木施工管理技士が取り消しになった事例3選
実務経験をごまかしても「バレなければいいのでは?」と考え、申し込みをする方も多くいます。
確かに試験官も、すべて細かくチェックするわけではありません。
しかし、もし不正が発覚してしまったときのリスクは大きいので、正々堂々と受験することをおすすめします。
不正が発覚した場合、たとえば下記のリスクがあります。
取り消しは当然のこと、数年は再受験できません。
また、あなたの不正が原因で会社が処分されたら、そのあとは働きづらくなると思います。
だからこそ経歴を詐称して土木施工管理技士を受験するには、それなりのリスクがあるのです!
参考までに、経歴詐称が原因で実際に土木施工管理技士の取り消しを受けた事例を3つ紹介します。
大和ハウス工業
最初に紹介する事例は、2019年に発覚した大和ハウス工業の経歴詐称です。
なんと社員349人が不正に、1級土木施工管理技士や1級電気工事施工管理技士に合格していたと発表しました。
国土交通省から下された処分は、合格の取り消しはもちろん、最長3年間の受験の禁止です。
さらに不正に合格した社員が、実際に現場に出ていたようです。
建設業法では、これらの資格を所有する「主任技術者」を現場に配置する必要があります。
当然、不正に取得した社員が現場に出たため、建設業法違反も疑われました。
資格の取り消しだけでなく、建設業法にも違反してしまうという恐ろしい事例だと思います。
ちなみに大和ハウス工業の事例については朝日新聞さまのこちらの記事を参考にさせていただきました。
関西電力
次に紹介するのは、関西電力で起きた事例です。
関西電力は、子会社の社員6人が必要な実務経験を積んでいないのに施工管理技士を不正に取得したことを発表しました。
こちらは、内部告発によって明らかになった事例になります。
なお、この事例は日本経済新聞さまの記事を参考にさせていただきました。
パナソニック
最後に紹介するのは、2020年11月に発覚したパナソニックの事例です。
パナソニックの連結子会社のパナソニック環境エンジニアリングは、元社員も含めて57人が不正に技術検定試験を受験していたと発表しました。
不正に取得した資格は、1級電気工事施工管理技士や1級建築施工管理技士などです。
どうやら、技術者の不足が不正受験の推奨につながったようです。
その不正に取得した資格を利用して、346件の工事を行っていたのは恐ろしいですよね。
また実務経験をチェックする立場であった、支店長や営業所長も注意を受けています。
こちらの事例は、日経クロステックさまの記事を参考にさせていただきました!
このように土木施工管理技士を不正に受験すると、合格の取り消しだけで済まされません。
その後の人生にも悪影響が出る恐れがあるので、正しく受験しましょう。
土木施工管理技士の実務経験として認められる内容
ここまで解説してきたように、実務経験をごまかして土木施工管理技士を受験するリスクは非常に大きいです。
なので、認められた実務経験をしっかり積んでいきましょう。
ここで「どんな仕事が実務経験なの?」という疑問が出てくるのではないでしょうか?
結論ですが、土木工事の監督業務はすべて実務経験として認められます。
たとえば、以下のような業務です。
ちなみに、上記の業務を補助者として行った場合も該当します。
そして土木工事として認められる工事の種類が、以下の通りです。
- 河川工事
- 道路工事
- 海岸工事
- 砂防工事
- ダム工事
- 港湾工事
- 鉄道工事
- 空港工事
- 発電工事
- 上下水道工事
- 造成工事
- 農業・森林土木工事
- 公園工事
- 地下構造物工事
- 橋梁工事
- トンネル工事
- 鋼構造物塗装工事
- 薬液注入工事
上記に該当する工事なら、土木施工管理技士の試験に必要な実務経験として認められる土木工事になります。
つまり、実地試験の経験記述に記載できます。
一方で、実務経験として認められない工事の一例は以下です。
基本的に土木ではなく建築系だったり、安全や品質管理が不要な雑務などは認められません。
また鋼構造物塗装工事には、実務経験として認められない工事内容が多いので注意しましょう。
なぜなら、土木というより塗装屋に近い仕事だからです。
ちなみに上記に記載した以外にも、実務経験として認められない工事はまだあります!
基本的に河川や道路、トンネル工事などならOKですが、「実務経験に含まれる工事か?」の事前の確認をおすすめします。
実務経験の日数の数え方は【学科試験の前日まで】
実務経験の日数は、学科試験の前日が基準です。
つまり入社してから学科試験の前日までで、先述した必要日数を満たしていればOKになります。
なので申し込みする時点では、日数を満たしていなくても問題ありません。
ですが複数の工事現場を担当していた場合、重複期間は必要日数にカウントできないので注意してください。
たとえば、実務経験として認められる河川や道路工事を3年やっていたとします。
でもその間の3ヶ月ほど解体工事も担当していれば、3年にはならないということです。
解体工事は実務経験とは認められないので、この重複している期間は日数にカウントできません。
詳しくは、建設業振興基金さまの実務経験を計算するときの注意事項をご参照ください!
実務経験が足りないときは?
もし今の時点で、土木施工管理技士を受験するための実務経験が足りなくても、焦る必要はありません。
そんなわけで最後に、実務経験が足りないときの対処法を2つお伝えします。
まだ土木施工管理技士を取得できなくても、今できることはあります。
なので、今できることを全力でやりましょう。
では順番に解説します。
まずは学科のみの合格を目指す
本記事の最初のほうで少しお話しましたが、学科試験は実務経験が不要です。
2021年4月に法改正がされ、第一次検定として「土木施工管理技士補」の資格を取得できるようになりました。
学科試験に合格すると得られる称号が、「土木施工管理技士補」です。
つまり先に学科試験にだけでも合格すれば、あとは実地試験に挑むだけで土木施工管理技士になれるということです。
正直、学科と実地試験の両方を対策するのは、仕事をしながらなら特に大変だと思います。
なのでまずは学科に専念して、先に「土木施工管理技士補」を取得しておくと後から非常に楽になります。
むしろ、実務経験が足りない今だからこそ、学科のみの合格に専念するときではないでしょうか?
このように、今できることを全力でやればOKです。
第一次検定は毎年6月頃に実施しているので、ぜひチャレンジしてみてください!
日数を満たすまで我慢
あとは、必要日数を満たすまで我慢するだけです。
要するに時間が解決してくれます。
今まで通り働いていれば、いずれ土木施工管理技士を受験するための必要日数は満たせるはずです。
そのとき既に学科試験に合格しているとすれば、対策するのは実地試験だけですね。
ただ学科よりも実地試験のほうが、合格率が低いことをご存知でしょうか?
実際、学科は半分以上が合格しているのに対し、実地試験の合格率は約3割です。
つまり実地試験の経験記述(作文)に苦戦する方が多いのです!
正直、ぶっつけ本番で試験に挑んでも大半の方は合格できないと思います。
土木施工管理技士も国家資格なので、何の対策もせずに合格できるほど甘くありません。
そこで少しでも合格率を上げるために、おすすめなのが「独学サポート事務局」です。
「独学サポート事務局」は、土木施工管理技士に合格したい方向けの通信教育講座になります。
17年の運営歴があり、5万人以上を合格に導いてきました。
「独学サポート事務局」では、土木施工管理技士の実地試験で書く経験記述をプロが添削します。
さらに希望すれば、あなたの代わりに作文の作成を代行してくれるサービス付きです。
これこそ多くの方に選ばれ、合格に導ける理由でしょう。
なので、土木施工管理技士を取得したい方で、以下に該当する方には特におすすめです。
有料ではありますが学習時間を短縮できると思えば、決して高い買い物ではないと思います。
プロが考えた作文を暗記して、試験当日に書くだけなので合格は間違いなしです。
「独学サポート事務局」の詳細は、下記からチェックできます。
その他の土木施工管理技士の取り方は、下記の記事を参考にしてください。
土木施工管理技士の取り方4つの各メリットやデメリット、また合格率についても詳しく解説しています。
まとめ:嘘なしで土木施工管理技士を受験しよう
実務経験をごまかすと、土木施工管理技士の取り消しを受けます。
経歴詐称で土木施工管理技士の取り消しを受けた事例もあるので、ごまかして受験するのは危険です。
なので実務経験として認められた土木工事を、学歴で決まる必要な日数を経験してから受験しましょう。
ちなみに、以下の土木工事が実務経験として認められます。
なお必要日数は、入社してから学科試験の前日を目安に計算すればOKです。
実務経験が足りなくても、法改正のおかげで学科試験だけ受験できるようになったのは大きいですね。
あとは時間が解決してくれるので、今できることをやっておきましょう。
もし「作文は苦手だから実地試験が不安」という方は、独学サポート事務局をおすすめします。
作文は多くの方が苦手としていますが、独学サポート事務局ではプロが添削してくれるため誰でも合格レベルの作文が書けるでしょう。
またどうしても作文が書けなかったり、勉強する時間がない方のために、作文の作成を代行するサービスも行っているのも見逃せません。
土木施工管理技士は、一生モノの国家資格です!
一生モノの資格が取得できると思えば、非常に良い買い物ではないでしょうか?
いずれにしても本記事をここまで読んでいただいたなら、あなたは土木施工管理技士の取り消しを受ける心配はありません。
正々堂々と、土木施工管理技士を受験していただきたいと思います。
ちなみに当ブログは、土木歴9年の僕が運営しており、
上記のことを、プロの目線で解説しています。
なお下記の記事では、土木の転職のすべてを解説しているので、併せてご覧ください。
あなたが土木業界に少しでも興味があるなら、今後も読みに来ていただければ嬉しいです。