土木業界は、特に夏場は熱中症対策が欠かせません。
なぜなら野外で労働する以上、熱中症とは常に隣り合わせだからです。
夏の炎天下の中で仕事をするので、熱中症になってもおかしくないでしょう。
だからこそ、しっかりと熱中症対策を行う必要があります。
そこで本記事では現役の土木作業員である僕が、工事現場ですべき熱中症対策について紹介します。
水分補給はもちろんですが、今は工事現場で役立つ熱中症対策グッズも豊富にあります。
その熱中症対策グッズと併せて、土木業界の夏の実態もお伝えしましょう。
現役の僕が実際に現場で行っている熱中症対策なので、ぜひ参考にしてください!
ちなみに、これから土木業界で働くことを検討している方には、下記の記事もおすすめです。
こちらの記事では、未経験からでも失敗せずに土木業界へ就職する方法を解説しています。
さらに転職後にすべきことも具体的にイメージできるので、併せてご覧ください。
【国土交通省が提供】熱中症対策の資料
土木業界にとって、熱中症は労働災害に該当するケースがあります。
夏場に屋外で長時間働くからこそ、土木と熱中症は常に隣り合わせです。
そんな中、土木業界の熱中症対策を助言する国土交通省の資料があるので、こちらも参考にどうぞ。
上記は平成29年に国土交通省が行った調査を基に、熱中症対策の事例を集めたものです。
本記事でも紹介する「暑さ指数」などが具体的に解説されています。
それ以外にも多くの企業が実施している熱中症対策を確認できるので、参考になると思います!
工事現場での基本的な熱中症対策3選
ここからは僕が実際に現場で行っている熱中症対策を紹介していきます。
以下の3つは超が付くほど基本的ですが、重要な熱中症対策です。
基本的な熱中症対策ですが、非常に有効な対策になります。
では順番に解説します。
こまめな水分補給
基本的な熱中症対策の1つ目は、こまめな水分補給です。
実際、こちらは夏場に屋外活動をするなら欠かせない熱中症対策と言えます。
特に土木作業員なら炎天下の中で1日8時間も働くので、水分補給は必須です。
ですので休憩時間だけでなく、作業の合間にもこまめに水分を補給しましょう。
また水分補給には、塩分が含まれたスポーツ飲料が非常に有効です。
たとえば、以下はスポーツ飲料の代表格ですよね。
- アクエリアス
- ポカリスエット
ちなみにコーヒーは、熱中症対策としては推奨できません。
その理由は、シンプルに塩分が含まれていないからです。
なので正しい熱中症対策をするには、なるべくスポーツ飲料を飲むようにしてください。
僕も夏場は、ポカリスエットを1日に2Lは飲んでしまいます!
休憩時間も多めに取る
基本的な熱中症対策の2つ目は、休憩時間も多めに取ることです。
ほとんどの現場では、10時と3時に15~30分の休憩時間があると思います。
でも午前と午後で、休憩が1回しかないのは夏場だと不十分でしょう。
ですので熱中症対策として、夏場は休憩時間も多めに取ることが必要です。
ガッツリ休憩しなくてもいいので、たとえば1時間に1回「給水タイム」を取るだけでも十分な熱中症対策になります。
また、クーラーが効いた現場事務所やダンプの中で休むのも大きな効果があります。
しかし現場が忙しくなると、休憩時間を削ることも多いかもしれません!
でも健康が1番ですし熱中症になったら元も子もないので、会社で決まっている休憩時間に縛られず臨機応変に対応しましょう。
熱中症対策ができるグッズを揃える
基本的な熱中症対策の3つ目は、グッズを揃えることです。
「水分補給」と「休憩時間を多くとる」のは、土木だけでなくスポーツなど夏場に屋外で活動するときの基本的な熱中症対策でした。
でも冒頭でもお話したように、今は工事現場で役立つ熱中症対策グッズもどんどん販売されています。
そのような土木業界で活躍する熱中症対策グッズも、必要に応じて揃えていきましょう。
つまり、グッズを揃えることも基本的な熱中症対策の1つです。
そこで次項では、土木作業員におすすめの熱中症対策グッズを紹介します!
土木作業員におすすめの熱中症対策グッズ9選
土木作業員のためのおすすめ熱中症対策グッズは、以下の9つです。
上記のグッズは、夏の土木作業員にとって強い味方になります。
では1つずつ紹介します。
塩分入りの飴
おすすめの熱中症対策グッズ1つ目は、塩分入りの飴です。
実際、熱中症を引き起こす原因は、汗をかいたことで体内の塩分が奪われるからです。
だからこそ塩分入りの飴をなめることで、奪われた塩分を補給できるため熱中症対策になります。
飴をなめるなら、作業の手を止める必要もないのでおすすめです!
熱中症指標計
おすすめの熱中症対策グッズ2つ目は、熱中症指標計です。
熱中症指標計は、暑さ指数を測定し熱中症のリスクを数値化してくれる機械です。
ちなみに、暑さ指数は以下の3つを取り入れています。
- 気温
- 湿度
- 輻射熱
こちらの3つが、人間の熱に大きく影響しています!
暑さ指数から熱中症にかかるリスクが数字で分かるので、熱中症指標計をチェックしながら現場で作業するのはおすすめです。
瞬間冷却パック
おすすめの熱中症対策グッズ3つ目は、瞬間冷却パックです。
瞬間冷却パックは発熱時など、さまざまな状況で利用できますが熱中症対策としてもおすすめです。
冬によく使うカイロのように、身体の好きな箇所に貼ることができます。
叩くだけで一瞬で冷たくなるので、使い方もとても簡単です!
通気性のある作業着
おすすめの熱中症対策グッズ4つ目は、通気性のある作業着です。
通気性のある作業着とは、メッシュになっている作業着になります。
僕も夏にはメッシュの作業着を着ていますが、通気性があり本当に涼しいので手放せません。
ワークマンなどで1,000円前後で購入できるため、夏場にはぜひ着用してみてください!
扇風機付きの作業着
おすすめの熱中症対策グッズ5つ目は、扇風機付きの作業着です。
こちらは腰のところに扇風機が付いた作業着であり、着用している建設業界の方が最近は増えてきた印象があります。
バッテリーの重さを感じるのがデメリットですが、扇風機により体温の上昇を抑えることができます。
この扇風機付きの作業着こそ、建設業界で活躍する最新の熱中症対策グッズです!
扇風機付きのヘルメット
おすすめの熱中症対策グッズ6つ目は、扇風機付きのヘルメットです。
こちらも名前の通り、扇風機が付いたヘルメットになります。
後頭部に扇風機が付いているため、首から冷やすことで体温の上昇を抑える効果があります。
ただしファンやバッテリーが後頭部にあるため、重さや音が気になるのはデメリットでしょう!
クールキャップ
おすすめの熱中症対策グッズ6つ目は、クールキャップです。
「水を含んだ帽子型の容器」を頭に被るイメージで、水泳帽によく似ています。
非常に薄いのでヘルメットの下に被ることが可能で、吸汗の効果もありです。
数百円で買えることもあり、夏場には非常に多くの方が着用しています。
ぜひ夏になったら、現場で働く方の頭に注目してみてください!
ドライクールベスト
おすすめの熱中症対策グッズ7つ目は、ドライクールベストです。
こちらは、水が入ったベストを着用するイメージです。
500mlの水が入るため500gほど重くなりますが、水の冷気で体温を下げる狙いがあります。
ちなみに夏場の釣りやツーリングなどでも、よく使われている優れものです!
ネッククーラー
最後に紹介するおすすめの熱中症対策グッズは、ネッククーラーです。
つまりネックウォーマーのように、首に巻く熱中症対策グッズになります。
冷水で15~20分ほど冷やすだけで利用できるので、冷たさがなくなっても、またすぐに冷やせばOKです。
重量もそこまで重くないため、首の疲れを感じることなく作業に集中できるでしょう!
以上が、土木作業員におすすめの熱中症対策グッズ9選でした。
ワークマンなどで気軽に購入でき、値段も高くて数千円なので、ぜひ現場で試してみてください。
土木業界の夏は大変?
土木業界の人間にとって、夏は非常に大変な時期です。
僕は比較的涼しい青森県に住んでいますが、それでも7~9月は気温が30度前後まで上がるので、夏は暑くて大変に感じます。
でも今は働き方も見直されており、従業員に無理をさせない時代です。
つまり、こまめに休憩時間も設けられていますし、体調が悪いときは遠慮せずに申告することも推奨されています。
ですので夏の土木業界も楽な労働環境ではないですが、いずれ慣れてきます。
ちなみに、学生時代に運動部だった方やアウトドア派の方なら問題ないでしょう!
暑くて大変な分だけ、休憩時間に飲むスポーツ飲料や仕事終わりのビールがいつも以上においしく感じます。
ここまで読んでくださった方には、夏場の工事現場で働いたあとの達成感を味わっていただきたいと思います。
他業種から土木業界への転職を検討している方は、下記の記事も併せてご覧ください。
実際、学歴とかは関係ないため土木業界への転職は簡単です。
土木は人手不足な業界ですし、未経験でも若ければ若いほど採用もされやすくなっています。
未経験でも転職できる理由や失敗しない転職方法を上記の記事で紹介しているので、興味がある方はぜひ目を通してみてください。
もしも熱中症になったときの対策
どれだけ注意をしていても、熱中症を完全に予防するのは不可能です。
つまり工事現場で熱中症になってしまう方が、あなたの身近でもいるかもしれません。
そんなときのために、熱中症になったときの対策も知っておいたほうがいいでしょう。
もちろん、救急車を呼ぶのは当たり前です。
ですが救急隊が到着するまでにできることをやっておくことが、あなたの責任です。
なので現場で熱中症になった方がいたら、以下の応急処置を行いましょう。
まず、日陰や可能であればクーラーが効いた室内へ移動させて、衣服を脱がすなど通気性のある格好にします。
そして、ひたすら体温を下げるための対処をしましょう。
たとえば、
- 冷却パックを利用する
- うちわや扇風機の風をあてる
- 水を直接かける
救急隊が来るまで、「いかに体温を下げるか?」が勝負です。
だからこそ救急車を待つだけでなく、到着前の冷却を行うのが現場にいる方の責任です。
あなたの行動で熱中症になった方の命が救われたり、重症化を防ぐことができます!
まとめ:熱中症対策をして工事現場で安全に働こう
本記事は現役の土木作業員の僕が、工事現場でおすすめの熱中症対策を紹介してきました。
水分補給や休憩時間を多く取ることはもちろん、今は工事現場のための熱中症対策グッズが豊富にあります。
おすすめの熱中症対策グッズは、以下の通りです。
近くの店やネットで簡単に購入できるグッズばかりなので、必要に応じて利用してみましょう。
土木は熱中症になるリスクが高い業界です。
なので少しでも熱中症らしき症状が出たら、遠慮せず現場監督に報告し、必要な措置を取ってください。
健康が第一ですし、特に夏は正しい熱中症対策が工事現場の安全に繋がります。
暑くて大変な土木業界ですが、そのあとに飲むビールを想像すれば、がんばれるはずです。
これまで何回も夏の暑さを乗り越えてきたはずなので、土木業界の夏もきっと大丈夫でしょう。
本記事を読んでいただいたことで、熱中症の予防になれば幸いです!
ちなみに当ブログは土木業界で10年近く働いている僕が、土木の転職について発信しています。
未経験からの転職だけでなく、キャリアアップについてもヒントが得られると思います。
ですので、あなたが土木業界に少しでも興味があるなら、今後もぜひ当ブログにお越しください。
ちなみに、失敗しない土木への転職方法は下記の記事で確認できますよ。